アスリートから学ぶ健康・美容法お風呂とサウナとヒートショックプロテイン(HSP)

アスリートから学ぶ健康・美容法お風呂とサウナとヒートショックプロテイン(HSP)

健康的に鍛え抜かれたアスリート

アスリートのお肌って、ツヤツヤ輝いていると思いませんか?
なにか特別なケアをしているのかな、と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
でも実はもっと必然的な理由があるのです!

ヒートショックプロテイン(HSP)という単語を聞いたことはありますか?
ヒートショックプロテイン(HSP)は、アスリートも最注目の健康・美容キーワードです。アスリートがいかにヒートショックプロテイン(HSP)を意識しているかを知ることが、大事なポイントとなってきます。

アスリートがなぜ美しく、健康に人生を送っているかを分析していくうえで、「アスリートだから生まれつき持っているものが一般人とは違う」という意識ではなく「アスリートだからこそできていることを私たちが学ぶ」という意識に変えることが大事です。そして学んだことを実践してみることが、成功の秘訣です。

さァ、早速発見の旅に出かけましょう!

交告承己

美容アドバイザー

この記事は美容管理アドバイザー交告 承己(こうけつ うい)が執筆しました

日々、お肌について悩むお客様からのご相談をお受けしているお肌美容の専門家です。おひとりおひとりに対して懇切丁寧に、アドバイスをさせていただいております。スポーツ記者だった経歴を活かし、運動や健康管理の側面からも、美容に関して鋭く迫ります!

1.アスリートとヒートショックプロテイン(HSP)を結ぶお風呂!

入浴タイム前の女性

アスリートは毎日が練習の日々ですが、勝負の日は当然「試合当日」になります。ただ単に練習を詰め込むだけでは疲労が溜まり、本来の実力を大事な時に発揮できなくなる可能性があります。試合本番に向けて最高のコンディションをあわせ、そのときに最も輝いている自分を披露できるようにするのです。

ヒートショックプロテイン(HSP)は、傷んだ細胞を修復する働きがある特殊なタンパク質です。それと同時に、乳酸の発生を遅らせる効果も併せ持っています。日々の疲労などで乳酸が溜まると、倦怠感や筋肉の凝りにつながっていきます。ヒートショックプロテイン(HSP)を溜めていくことで乳酸を減少させ、いい状態の身体環境に導いているのです。

私達も日々のお仕事や家事などで疲労は溜まっていますよね。ではアスリートのようにヒートショックプロテイン(HSP)をどのように意識したらいいでしょうか。アスリートが取り入れており、さらに最も私たちが取り入れやすいのがお風呂です!いままでの入浴に、ちょっとだけ意識を加えていただくだけで、より効果的となります。それでは早速みていきましょう!

1-1 ヒートショックプロテインはお風呂で増やせ!

効果的なHSP入浴法を示すイラスト

ヒートショック(熱ショック)という名称がつくことからもご想像できるかと思いますが、ヒートショックプロテイン(HSP)を増加させるためには、身体の深部の体温(深部体温)を上げることが必要となります。なので、たとえばシャワーのようにサッと浴びただけでは身体の表面は温まりますが、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすことにはならないのです。

最も効果的なのが「お風呂」です!

お風呂は疲労回復やリラックス効果がありますが、今日からはアスリートの方々と同様に、ヒートショックプロテイン(HSP)を意識して入浴をしてみましょう。そのためには正しい入浴法を頭に入れることが大事!

いわゆる“ヒートショックプロテイン(HSP)入浴法”です。
ヒートショックプロテイン(HSP)入浴法のポイントは以下の6点です。

・自分の平熱から+1.5度を目安に
・入浴前の水分補給
・40~42度で約20分入浴
・舌下温を計り、体温(深部)の上昇をチェック
・入浴後は冷やさない、温めすぎない
・2〜3日に1回でOK

まず入浴を前に、体温計で体温を計ります。ヒートショックプロテイン(HSP)を体内で生成するためには、体温を38度まで上げながら保温をすることが必要となります。ここは重要な点ですので、頭にいれておいてください。
しかし例えば平熱が低い人などが、いきなり体温を38度まで上げようとすると、身体に大きな負担がかかります。なので、平熱+1.5度を目安に、体温アップを目指してみましょう。
「いざ入浴」の前に、脱水を防ぐために水分をしっかりと摂ることをお忘れなく!

お風呂の温度は40~42度に設定しましょう。その状態で湯船に10分ほど浸かります。途中身体を洗い、更に10分ほど浸かることで、体温は約1.5度自然に上がっています。合計20分前後の入浴時間です。湯上がり後に、舌下温(舌の下部に体温計を入れて計ってください)で確認します。湯上がり後の保温も大事です。特に冬場は部屋を暖め、身体を冷やさないようにしましょう。これを週2回ほど実践します。2~3日に1回の割合でOKです。その後体温は自然に下がりますが、入浴によって生成されたヒートショックプロテイン(HSP)は1週間ほど体内に残ります。蓄積されたヒートショックプロテイン(HSP)の効果が最大に表れるのは入浴の2日後とされているので、自分の調子を最も上げたい日を設定し、そこから逆算して計画を立てるのもよいでしょう。あなたの勝負の日に向けて、心身がブラッシュアップされていきますよ!

1-2 交代浴で免疫力アップ!

自宅で簡単シャワーで温冷交代浴

アスリートの多くは、氷のうやアイスバスを使って患部を冷やします。これは、炎症を抑える意味で非常に効果的であるためです。野球がお好きな方は、投球を終えたピッチャーが、肩にアイシングをかけて休息している姿を見たことがあるかもしれません。これも投球ストレスで大きな負荷がかかることで起こる肩や肘の炎症を抑える効果があります。しかし、冷やしっぱなしでは冷やした箇所が固まってしまうので、ケガなどがない場合は、冷やした部分を動かして温めます。血流なども滞り、機能が落ちてしまうので、冷やした後は意識的に動かしたり温めるというふうに、交互の刺激がとても重要です。

そこでアスリートが積極的に取り入れているのが交代浴です。水風呂1分→暖かいお風呂4分の交代浴を3、4回繰り返したりすることが一般的とされています。
交代浴はヒートショックプロテイン(HSP)を増やし、傷ついたタンパク質の修復力を早め、細胞をストレスから防ぐ効果があります。また老廃物を排出し疲労も軽減されるため、美肌や免疫の向上にもつながります。

一般のご家庭では、アスリートのような水風呂はなかなか難しいと思います。そこで活用したいのがシャワーです。水風呂の代わりに、10~15度くらいの冷水を足元から浴びましょう。

大事なことは無理をしないことです。冷水シャワーを浴びる時間は10~30秒くらいでも効果がありますし、冬の寒い時期は全身ではなく足元だけにしたり、冷水をお湯で少し温めたぬるま湯に変えても問題ないです!自分の体調と相談しながら、効果的に行ってみて下さいね♪

1-3 お風呂上がりのストレッチで“プチ運動”

お風呂上がりのストレッチをする女性

アスリートは質のいい睡眠をとらねばなりません。日々膨大なエネルギーを消費し、しかもそのピークを試合に合わせるためには、当然睡眠による疲労回復が重要となります。しかし、睡眠が影響を及ぼすことは一般人も変わりありません。アスリートが取り入れている“プチ運動”を是非とりいれてみてください!

お風呂上がりのストレッチは筋肉を和らげる効果があり、ヒートショックプロテイン(HSP)の生成に大事な保温のための最適な運動になるほか、寝返りを打ちやすい身体に変えてくれます。睡眠時に同じ体勢で朝まで寝ていると、逆に疲れが溜まりやすくなるので、寝返りしやすい身体にしておくことで翌朝のコンディションが変わってきます。行うのはたったの2種類のエクササイズだけ!

①肩(広背筋)を伸ばす

②開脚(股関節)を柔らかく

①は特にデスクワークをされている方に効果的です。肩回りを動かしてほぐすことで、ずいぶんと楽になり疲れも改善されるはずです。正座した状態から両腕から前方に伸ばします。この時両腕は天井を向けた状態でくっつけましょう。腕は伸ばし、お尻は後ろに引っ張られるイメージで30秒。これを2回行いましょう。脇腹や肩が伸びる間隔を意識してみてください!

②地面に座った状態から、ヒザの裏側をしっかりと地面につけて両足をゆっくり開きます。ヒザを曲げずに、身体を前方に倒します。おへそをしっかりと前向きの状態で維持します。痛いと思ったら無理をせずに、出来る範囲を少しずつ増やしていきましょう。「股関節は年齢を表す」と言います。身体が歪み、猫背になりやすくなり、同時に血行も悪くなります。折角ヒートショックプロテイン(HSP)を溜めて頂いても、それが美容や健康にも活かされない身体とならないよう、気を付けましょう!

2.アスリートがハマるサウナの秘密 その驚くべき効果

サウナで疲労とストレスを解消

疲労やストレスはヒートショックプロテイン(HSP)にとって天敵です。ヒートショックプロテイン(HSP)は、実はもともと私たちの身体の中にあるタンパク質なのですが、25歳ころを境に減り始めるばかりか、疲労やストレスによってさらに減ってしまうのです。アスリートは特に、常に疲労とストレスがつきまといます。うまく自分の心や身体とつきあい、試合に向けてコンディションを整えるだけでなく、精神状態も最高の状態に持っていかなければなりません。

そこで重要となるのがストレス発散ですが、アスリートが取り入れる習慣にサウナがあります。サウナから得られるヒートショックプロテイン(HSP)効果がその大きな理由です。お風呂よりも爽快感が得られることや、より効果的であることも挙げられます。
一般の方にとってもサウナは健康と美容にとても役立ちます。正しい知識と入り方を学べば、誰でもどんな時でも、心身が充実した貴方へと変身させてくれるのです♪

2-1 ヒートショックプロテイン(HSP)はサウナと相性抜群!?

サウナ全景図

私たちの身体は約60兆という膨大な数の細胞で作られており、そのほとんどがタンパク質からできています。細胞に熱(ヒートショック)を加えると細胞内のタンパク質はダメージを受けますが、その時に同時にヒートショックプロテイン(HSP)が生まれます。

ヒートショックプロテイン(HSP)は、ダメージを受けたタンパク質を元通りにケアします。細胞は疲労、血流の悪化、外部からの紫外線など、さまざまなストレスによってもダメージを受けますが、これらの細胞異常に効果を発揮するのがヒートショックプロテイン(HSP)なのです。

もともと我々が持っている自然治癒力機能として、ヒートショックプロテイン(HSP)が体内にたくさんあることで、怪我や病気に強い身体になります。また、紫外線などの外的ダメージにも有効なので、肌荒れやシミ・シワといった症状にも強いお肌になれるのです。そんなヒートショックプロテイン(HSP)が38度の体温で生成されることは、すでに触れているので大丈夫かと思います! サウナは発汗が始まった時には、体温が38度前後になっています。熱ストレスを受けて体温が38度を超えてくると、ヒートショックプロテイン(HSP)が効果的に増えます。

サウナを正しく利用することで、身体がもともと保有していた「根本力」を高めることができます。アスリートだけでなく、健康と美容を目指す方々にとってもサウナはとてもおすすめです。サウナはヒートショックプロテイン(HSP)との相性が抜群なのです♪

2-2 覚えたいサウナの入り方

サウナ後に水風呂に浸かる女性

ヒートショックプロテイン(HSP)を効果的に高めるためにも、サウナに入る際の注意点についてみていきましょう。
サウナは正しい知識を身に着けてこそ、安全かつ効果的に楽しめます。難しいことは全くございませんので、本稿をご覧になってから、すぐに実践可能です!

まずサウナ室に入る前にシャワーで身体を濡らします。温めてから入ることで汗が出やすくなります。濡らしたら、タオルで軽くふきましょう。濡れたままよりも汗を効率的にかきやすくなりますし、他人へのマナーとしても身体を軽くふいてからのほうが望ましいです。

サウナ室に入ったら、自分がリラックスできる位置と体勢で座りましょう。サウナに費やす時間は大体10~15分を目安と覚えておいてください。暑さの感じ方や汗のかき方には個人差があります。大事なことは「無理をしないこと」です。15分以上の長時間入ることは、かえって疲労を招き脱水症状など身体に負担をかけてしまうことにも繋がりますのでやめましょう。

サウナ室を出たらぬるめのシャワーで汗を流し、水風呂に入ります。水風呂の時間は、2分前後が目安ですが、30秒や1分でも効果はあるので無理のないように。初めての方や水風呂が苦手だと感じる方は、水風呂を控えても問題ありません。その場合は20度くらいのシャワーを浴びてクールダウンしてから、休憩に入りましょう。

水風呂から出たら水気を拭いて休息室でゆっくり休憩となります。休憩は大体10分くらいが目安です。身体が冷え切らないうちに、またサウナに入りましょう。休息室の椅子やリクライニングシートに深く腰掛けてリラックスしてください。これがいわゆる「ととのう」時間となります。温度変化による発汗とストレスがヒートショックプロテイン(HSP)を生成し、そこからの急激な解放が心地よいフレッシュな感覚をもたらします。「サウナ」「水風呂」「休憩」を2~3回繰り返します。
これがサウナの基本的な入浴方法です。意外と簡単ですよ♪

3.まとめ

アスリートの様な健康美の女性

アスリートはお風呂やサウナを日常生活やトレーニングの一部として取り入れています。私たちも今日から、ヒートショックプロテイン(HSP)を意識して増やしていくために、生活の中に取り入れていくことができれば、今までよりも健康と美容を兼ね備えたボディに変えていくことができるというわけです!ヒートショックプロテイン(HSP)は年齢と共にどうしても減ってしまうものですが、このように増やしていく意識があれば、若々しさと美しさを維持できるのですね!(年齢とHSPもご参照ください)

お風呂とサウナは一見、ほとんど同じように思われるかもしれません。ただ当然ながら似て非なるものです。それぞれの特色やメリットを考えて、取り入れたいものです。
お風呂は「静水圧効果」が働くので、水圧で血管が細くなってしまいます。水圧がかかるため心臓に持病などお持ちの方にとってはどうしても負担がかかってきます。サウナは水圧がなく、温熱だけで血管を拡げるこができます。水圧による負担はありません。サウナは急激な温度変化による熱ストレスでヒートショックプロテイン(HSP)を育むことになりますので、慣れていない方や体質的に合わない方が無理に行うと、身体に負担となることもあります。

お風呂においてもサウナにおいても、ともに正しい知識を持って、無理なくご利用いただくことで効果が期待できます。お風呂はもともと生活習慣の一部ですので、少しのアレンジでヒートショックプロテイン(HSP)入浴法を誰もがすぐに取り入れることが出来るでしょうし、サウナは慣れてくれば身体への負担なくすっきりとリフレッシュし、心身の状態を一新することができます。ご自身に合っている方法を見つけてみましょう!
アスリートのような健康と美容を、ぜひ身体の奥底に植え付けてみて下さいね♪