入浴や運動のやりすぎでヒートショックプロテイン(HSP)が減少?!ヒートショックプロテイン(HSP)をうまく増やす頻度とは!
近頃、よくヒートショックプロテイン(HSP)という言葉を耳にします。
ヒートショックプロテイン(HSP)は、ヒートショック、つまり身体に熱によるストレスが加わることによって増加し、傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質です。
ストレス解消、美肌作り、疲労回復、免疫力アップなど、魅力的な効果が目白押し!
入浴や運動など、身近な日常生活の中で、簡単に増やすことができます。
でも、やりすぎたら逆効果というのを、ご存知でしょうか。
ヒートショックプロテイン(HSP)を効率的に増やすには、その頻度が重要になってきます。
1.ヒートショックプロテイン(HSP)とは・・・その効果と頻度
ヒートショックプロテイン(HSP)は、もともと、私たちの体に備わっている特殊たんぱく質です。ヒートショックという言葉にあるように、体に熱が加わったときに、このタンパク質が作られます。ストレスから身体を守り、自己回復力を高めてくれるタンパク質で、さまざまなストレスによって傷ついたタンパク質を、元のきれいな形に戻す働きがあります。
ヒートショックプロテイン(HSP)が増えることで、免疫力が上がったり、コラーゲンの生成や代謝を活発にするといった、健康や美容の効果が期待できます。免疫細胞の働きを活発にしたり、疲労感の原因である乳酸の発生を抑制したりする作用をもった、私たちの身体にとって、とても嬉しい働きをしてくれるものです。
ヒートショックプロテイン(HSP)が増加すると、基礎体力が底上げされるだけでなく、シワやたるみの予防や、紫外線によるしみ、炎症防止にまで効果があるといわれています。老化速度を緩やかにし、アンチエイジングにもつながります。
しかし、ヒートショックプロテイン(HSP)は、年齢やストレスで減少してしまいます。
年齢とともに、ケガが治りにくかったり、体調を崩すと、なかなか治らないのは、ヒートショックプロテイン(HSP)が減少していることが関係しているといわれています。
体内に減少したヒートショックプロテイン(HSP)を増やすには、精神的な緊張や運動、または紫外線や放射線、加圧や低酸素など、体がストレスと感じる刺激を与えることが必要です。なかでも、一番効率的かつ効果的なのが、体を温めることです。
そして、その頻度を守ることが、大切になってきます。
2.HSP入浴法、最適頻度は週2回で!
体を温め、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすには、まず入浴があります。
シャワーだけでは、体の深部体温まで上げることができません。
温かいお風呂にゆっくり浸かることは、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすだけでなく、体をリラックスさせ、1日の疲れを癒してくれることでしょう。
ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすには、42°なら10分、41°なら15分、40°なら20分の入浴が目安です。炭酸系の入浴剤を入れることによって、40°なら15分の入浴で、ヒートショックプロテイン(HSP)の増加が見込まれます。
できれば、肩までしっかり浸かるのが理想ですが、暑さで途中つらくなったら、湯船から出て休憩しても大丈夫です。無理のないよう、入浴を楽しみましょう。
10分くらい浸かると、自然に体温は1度ほど高くなり、そのままさらに10分ほど浸かれば1.5度ほど高くなります。体温を38度に上げることで、ヒートショックプロテイン(HSP)を効果的に増加させることができるといわれています。
入浴後は、体温を37℃前後に保つことが、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすポイントとなります。体の水分をタオルで拭いたら、すぐに着替えて、10分程度は、暖かい部屋で、体温をキープするために保温することを意識しましょう。
入浴前や入浴後の水分補給は、常温の水がおすすめです。
ヒートショックプロテイン(HSP)をうまく増加させる頻度は、週に2回だといわれています。これは、入浴の2日後をピークに、3日前後までヒートショックプロテイン(HSP)が増加する傾向にあるとされるためです。
ヒートショックプロテイン(HSP)が減少し始める3~4日後に、次のHSP入浴をすることが効果的であるため、週2回の頻度で行うことが最適なのです。
3.ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすには、適度な頻度で、適度な運動を!
運動で、体を温めることでも、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすことができます。
適度な運動で、ヒートショックプロテイン(HSP)が増えることで、さまざまな効果が期待できます。
・免疫力の向上
免疫力が上がることで、病気のリスクを減らし、健康な身体を維持することができます。
・代謝の促進
基礎代謝が促進されることで、痩せやすい体を作ることができます。ダイエットにも効果的です。
・乳酸の遅延化
運動すると発生する乳酸は疲労物質とされており、この乳酸の発生を遅らせることで、疲れにくい体にすることができます。
ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすには、運動のなかでも、有酸素運動が適しているといわれています。有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことをいいます。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった運動が代表的です。
外での運動は、ちょっと・・・という方は、まずは室内でできる有酸素運動から始めてみてはいかがでしょう。
踏み台昇降運動
踏み台昇降は、階段や踏み台を使って、昇り降りを繰り返すだけの簡単な運動です。
ほかの運動に比べて消費カロリーは低いですが、ウォーキングやジョギングよりも足腰への負担が少なく、場所や天気などにかかわらずできるため、初心者の方にもおすすめです。テレビなどを見ながら手軽にできるのも魅力です。
もも上げ運動
太ももを交互に高く上げる、もも上げ運動も、有酸素運動です。
上半身と下半身をつなぐ大腰筋など、インナーマッスルのトレーニングとしても効果的です。スクワットより足腰への負担が少ない簡単な運動ですが、回数を増やせば息もそれなりに上がってきます。
ハーフスクワット運動
筋トレのイメージが強いスクワットですが、有酸素運動にもなります。
有酸素運動の効果を重視したい場合は、腰を完全に下ろさず、中腰程度でしゃがむのを止める「ハーフスクワット」を時間をかけて行いましょう。回数をこなすよりも、1回1回をゆっくり行うことを意識し、時間をかけて取り組んでください。
頻度は、ハアハアと少し息が上がる程度の有酸素運動を1日30分以上、2週間継続すると、ヒートショックプロテイン(HSP)は効果的に増加するといわれています。
運動をやりすぎると、ヒートショックプロテイン(HSP)の減少につながるだけでなく、健康を損ねることにもなりかねます。
適度な運動を心がけ、心身共にリラックスできるよう、体を動かすことが大切です。
4.やりすぎは逆効果!頻度を守り、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やす!
ヒートショックプロテイン(HSP)の魅力ある、さまざまな効果を期待するあまり、頻度を間違い、やりすぎてしまうと、ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすどころか、減少につながってしまいます。
入浴では、2日後にピークを迎え、3日前後まで増加し、7日後に戻るというデータがあります。この研究の結果から、週に2回、3日おきの頻度が最適だといわれています。
運動も同じで、頻度を間違えると、ヒートショックプロテイン(HSP)の減少につながります。
トレーニングの2週間後に、最大のヒートショックプロテイン(HSP)の増加が見込めるといわれています。
大切な試合を控えている方は、試合の前の2~3週間のトレーニングが、最も効率よくできるため、おすすめです。ヒートショックプロテイン(HSP)には、疲労回復、運動能力向上の効果があるため、タイミングをうまく合わせると、効果が期待できます。
そして、試合の1~2日前に、ゆっくり湯船に浸かり、HSP入浴を取り入れれば、最強のコンディションになること、間違いなしです。
5.まとめ
頻度を間違えず、うまくタイミングを合わせることで、ヒートショックプロテイン(HSP)の効果は、ますます期待できます。是非、お試しください。