マッサージとヒートショックプロテイン(HSP)の秘密~差がつくスキンケア講座~

マッサージとヒートショックプロテイン(HSP)の秘密~差がつくスキンケア講座~

エステの準備をする女性

日頃のスキンケアだと、どうも物足りない。
アンチエイジングに取り組んでいらっしゃる方はもちろん、これから取り組んでいきたいと考えておられる方にとっても、誰もがぶち当たる壁ではないでしょうか。

洗顔の化粧品を変えたり、きちんと汚れを残さないように毎日スキンケアを行っているのに、なんとなく効果の実感が得られないという悩みは、多くの方がもしかしたら経験されているかもしれません。このまま続けていて、果たして自分が望むようなアンチエイジング効果を得ることができるのだろうか…と。

こうしたお悩みは、お肌の根本力を高めることで解決されます。
本稿で扱う内容はヒートショックプロテイン(HSP)とマッサージです!

ヒートショックプロテイン(HSP)という単語をご存知でしょうか。
お肌のダメージをケアし、美しさと強さを兼ね備えたお肌を作り出す、特殊なタンパク質の1種の名称です。人間の自然治癒力の源で、お肌のみならず身体全体の健康にも関わる大切な成分ですが、どうしても年齢と共に体内から減ってしまうものなのです。
ヒートショックプロテイン(HSP)を体内で生成し、活性化させていくことがアンチエイジングの有力な対策と考えられています。

ちょっとしたコツ、工夫、知識が、スキンケアの質の差を分けます。それどころか健康や美を保ったボディを得られる、といったところまで影響を及ぼします。
その秘訣がマッサージです。マッサージは血流促進をはじめ、ヒートショックプロテイン(HSP)を活性させる意味で大変重要な位置を占めます。
本稿ではマッサージとヒートショックプロテイン(HSP)を中心に取り上げ、普段のスキンケアなどにもうひと手間加えることで得られるアンチエイジング効果をご紹介していきます。ぜひ最後までお付き合いください!

交告承己

美容アドバイザー

この記事は美容管理アドバイザー交告 承己(こうけつ うい)が執筆しました

日々、お肌について悩むお客様からのご相談をお受けしているお肌美容の専門家です。おひとりおひとりに対して懇切丁寧に、アドバイスをさせていただいております。スポーツ記者だった経歴を活かし、運動や健康管理の側面からも、美容に関して鋭く迫ります!

1.アンチエイジングのためのマッサージ徹底解析

顔のマッサージをうける女性

ヒートショックプロテイン(HSP)は、傷んだ細胞を修復する働きがある特殊なタンパク質です。例えばお肌が紫外線などのダメージを受けても、ヒートショックプロテイン(HSP)がお肌にたくさん貯蓄できていれば、すぐに傷ついたお肌の状態を整えて美肌をキープしてくれます。

ヒートショック(熱ショック)という名称からも想像できますが、ヒートショックプロテイン(HSP)を増加させるためには、身体の体温を上げることが必要となります。
ですので、普段の生活時やスキンケアするときに心がけたいことは、血流をアップさせて身体の活力を上げていくこと。この点が大事になるので覚えておいてくださいね。

そこで最も手軽かつ、効果的な方法として浮上するのがマッサージです!
洗顔時に行うフェイシャルマッサージと、洗髪時に行う頭皮マッサージ。この2点を行うだけで血液循環がさらに良くなり、新陳代謝を促して肌の働きを良好に保ってくれます。それでは早速みていきましょう!

1-1 ヒートショックプロテイン(HSP)をフェイシャルマッサージで活性

フェイシャルマッサージをうける女性

血流が悪いと毛細血管まで栄養が行きわたらないため、ターンオーバーが乱れて肌荒れが生じます。また老廃物などがうまく排出されずに堆積することでむくみやタルミがうまれると同時に、お肌の水分量が減って乾燥を起こしてしまうのです。

ヒートショックプロテイン(HSP)は25歳前後から、年齢を重ねることによって減少してしまいます。
ところが血流が悪い身体だと、そこに拍車がかかってしまうのです。折角ヒートショックプロテイン(HSP)を補填したり、栄養素を体内に取り入れても、それを身体中の細胞に届けてくれる血流が鈍くては充分な効果が得られません。いつもの洗顔後に、フェイシャルマッサージを足していただくことで、血流を大幅に促進することができます。やり方は簡単です!
洗顔後の清潔な状態で、肌を傷つけないようにローションや保湿クリームを手につけていただいてから行っていただきます。使うのは手のひらの軟らかいところ、指の力が入りにくい親指の付け根あたりでマッサージをしていきます。

まず、頬骨の下から耳に向かって優しく抑えるようにマッサージをします。
同じやり方で今度は顎の下から耳に向かってマッサージしてみましょう。
次に、両手の指で目頭を、力を入れずに押さえ、小鼻の横まで優しく力を加えてください。最後に手をグーの形にして、おでこから髪の毛の生え際に向かってマッサージをしましょう。これだけで、1日のお顔のハリが変わってきます。
ヒートショックプロテイン(HSP)の活性につなげるためにも、お顔の血流に意識を向けていきたいところ!

頬骨の下はリンパが流れる経路にあたり、この部分を優しく刺激することで顔の筋肉の凝りがほぐれ、血行の促進につながります。
お時間があまりない場合は、ホットタオルを顔に当ててリラックスするだけでも大変効果的なので、ぜひお試しください♪

1-2 ヒートショックプロテイン(HSP)で忘れがちな、頭皮マッサージの重要性

頭皮マッサージをうける女性

洗顔と同様に、私たちの生活で欠かせないのがシャンプーです。アンチエイジングケアというと、フェイススキンケアだけを思い浮かべがちですが頭皮も立派な皮膚ですので、しっかりとしたケアを施すことがとても重要です。

そして、頭皮改善の方法として挙がるのが頭皮マッサージです。目的は筋肉の凝り解消と、それによるヒートショックプロテイン(HSP)の活性にあります!
いわゆる「老け顔」の悩みを解消する決定打のひとつが“頭筋”といわれています。たるみやほうれい線は頭の筋肉と直結しており、ここでは特に老け顔に関係する前頭部と側頭部のマッサージをマスターしましょう!

1.前頭部マッサージ

前頭部の筋肉は、額と直接つながっています。前頭部には思考を司る前頭葉があります。考えることが多くある方や、神経質に考え込んでしまう方が影響を受けやすいとされています。マッサージ法は簡単です。親指と人差し指を、目の上の延長線上にある生え際にセットします。頭蓋骨を指の先で掴むようなイメージで、中央に寄せるようにつまんでみましょう。すぐに離すのではなく、2秒間くらいキープしましょう。同様のマッサージを、生え際から頭頂部に向かって3~4回繰り返します。目の酷使などによる筋肉の緊張や凝りがほぐれ、血流が大幅に促進されていきます。それによって額の横シワやまぶたのたるみ、眼瞼下垂の改善も期待できますので、考え事の多い方に是非お試しいただきたいマッサージです!

2.側頭部マッサージ

フェイスラインのたるみや、ほうれい線・口角下がりなどにお悩みの方にお勧めなのが側頭部マッサージです。側頭部が凝ってしまうのは、強いストレスなどが原因で無意識に奥歯を食いしばったりしてしまうこと、などが影響しています。力みが恒常的に続くと、強い凝りが発生してしまいます。逆にここをしっかりとほぐせば、顔全体の印象を左右するたるみに直接働きかけることができますし、血液循環もよくなってヒートショックプロテイン(HSP)が活性化します!印象を大きく変えられますのでチャレンジしてみましょう。

側頭部のマッサージは、ギュッと引き上げてあげるイメージです。人差し指と中指で耳を挟むように手のひらを広げます。5本の指でしっかり頭皮を持ち上げるようにし、5秒ほどの時間をかけて地肌をスライドさせるようにします。そして頭頂部で左右の指を交差させます。交差させたら、髪の毛を引っ張るように上に持ち上げて1クール終了です。1クールを、10回くらい繰り返しましょう!たるみやむくみが解消され、すっきりした感覚を得られること間違いなしです!

アンチエイジングの道も、まずは1歩からです。いつものスキンケア・シャンプー時に、マッサージのひと手間を加えることでヒートショックプロテイン(HSP)機能が高まる条件が整うのです。身体全体に血流が行き届き、身体が元気で綺麗になるイメージを膨らませながら、楽しんで頭皮マッサージを行ってみて下さいね♪

2.ヒートショックプロテイン(HSP)と運動・マッサージ

腰に手を当ててマッサージを行う女性

ヒートショックプロテイン(HSP)を高めるために効果的なことが運動です。
体温が高まり、身体に負荷をかける運動はヒートショックプロテイン(HSP)を増加させます。ゆっくり歩くお散歩ではヒートショックプロテイン(HSP)は増えません。効率的に増やすためには、少し呼吸が乱れるくらいの有酸素運動を30分くらい続けたいものですが、「なかなかそれは難しい!」という貴方にお勧めしたいのがマッサージです。運動の前後に行うことで、身体の表面から適度な刺激を与えて血行を促進させることができます。より運動によってヒートショックプロテイン(HSP)を活性化させやすくなるので、毎回30分以上走らないといけない、ということではなくなってくるのです。

2-1 マッサージ(運動前編)

運動前には皆さんウォーミングアップをされると思いますが、マッサージもその一環と考えて頂いて大丈夫です。運動前のマッサージには実は多くの役割があり、筋肉や関節のコンディションを整え、パフォーマンスを高める集中力を高めるサポートにもなります。

運動前に行うマッサージは、身体で気になる箇所を重点的にケアしてください。強く刺激するのではなく、優しくさすったり手のひらで押さえたり、揉んでみるような感じです。時間としては3~5分くらいで大丈夫!たったこれだけですが、これから行う運動や試合のことをイメージして、体と心を「動くぞ!」という状態にさせていくことを意識してみましょう。このことが運動中の集中力やパフォーマンス向上につながり、ヒートショックプロテイン(HSP)活性の源となるのです!

2-2 マッサージ(運動後編)

運動の後は筋肉が疲労して硬くなっている状態です。その状態のままですと怪我などに繋がりやすく疲労も抜けにくいため、縮んだ筋肉を伸ばして緊張を緩めるためにもマッサージが欠かせません。 運動をした後に関しては運動の直後ではなく、シャワーで汗を流して身体の熱をとってからのマッサージがよいとされています。疲労している箇所を中心に、20~30分くらいをかけて、ゆっくり念入りに行いましょう。ゆったりと手をさすったり、少し強めに揉むなども効果的です。疲労回復のためには、運動後のマッサージでリンパや血液の流れを促進させることが非常に重要です。それによって疲労物質が停滞をしなくなり、ヒートショックプロテイン(HSP)を活性させ、ダメージを受けた細胞の修復を促してくれるのです。

運動による血行促進は毛細血管の働きを促し、肌のターンオーバーを正常に導いてくれます。運動は美肌のためにも大変重要な要素となります。運動前後にマッサージをしていただくことで、その効果は高まりますし、運動後の疲労も改善されます。美を極めるためには身体全体の環境を高めることが大事! ちょっとの工夫が、今後の美と健康を変えていきますよ♪

運動前に行うマッサージは、身体で気になる箇所を重点的にケアしてください。強く刺激するのではなく、優しくさすったり手のひらで押さえたり、揉んでみるような感じです。時間としては3~5分くらいで大丈夫!たったこれだけですが、これから行う運動や試合のことをイメージして、体と心を「動くぞ!」という状態にさせていくことを意識してみましょう。このことが運動中の集中力やパフォーマンス向上につながり、ヒートショックプロテイン(HSP)活性の源となるのです!

3.まとめ

マッサージ効果でピンッとハリのあるフェイスライン

スキンケア効果は一朝一夕では実感できるものではありません。日々の努力を継続すること、小さなことでもよいので身体やお肌に良いことを続けていくことで徐々にお肌は変わっていきます。いつものスキンケア時に、いつもの運動時に、ちょっとひと手間マッサージの時間を設けてみませんか?

折角いい商品を使って洗顔をしても、普段何気なく行ってしまっては駄目です。マッサージを行うことは、しっかりと心を込めて丁寧に洗顔することに繋がります。最後は気持ちと愛情です。お肌はしっかりと、答えてくれますよ♪