日焼けによる老化ダメージから肌を守るヒートショックプロテイン

日焼けによる老化ダメージから肌を守るヒートショックプロテイン


強い日差しを浴びる女性
MASAKO

MASAKO

35年以上、化粧品・美容業界で美と健康に携わる仕事に従事してきた50代女性。いくつになってもイキイキと輝いて日々を楽しんでいくために必要な「身体と心と肌のメンテナンス」をテーマに、いろいろな情報を発信していきます。


日焼けをして黒くなった肌が健康的で美しいと、コマーシャルにも真っ黒に日焼けした女優さんが走る姿が映し出されていた時代は遠い昔。今では紫外線を浴びると、シミやそばかすが増え、肌の老化が進んでしわやたるみが増えることは広く知られ、多くの方はアンチエイジングのために日焼け止め、日傘などで日焼けを防いでいることと思います。

とは言え、どれだけ念入りに紫外線をカットをしたつもりでも100%防ぐことはできない紫外線。うっかり日焼け止めを塗り忘れて“日焼け”をしてしまったり、思いがけない“日焼け”をしてしまった時はどうしたらよいのでしょうか?

日焼けをした時、肌の中で何が起こっているかを知ると、基本の必須ケア+「ストレス防御タンパク質」ヒートショックプロテインを補うことがアンチエイジングに有効だということがわかります。日焼け老化を防いで、若々しく美しい肌を守っていきましょう。



1.日焼けした肌で起きていることは?~炎症、酸化、糖化~


日焼した肌

老化の原因“炎症”


「日焼け」という言葉は、紫外線を浴びて皮膚が赤くなる“サンバーン”と、色が黒くなる“サンタン”を含めて使われています。
“サンバーン”は、ほてりを感じたり、皮膚が赤くなってヒリヒリする、痛いなどの症状があり炎症を起こしていることがわかりやすいですね。

一方“サンタン”は痛みや肌の赤みを感じずに、肌の色だけ黒くなることもあり炎症を起こしているという自覚がないこともありますが、肌の色を黒くするメラニンが増えるのは、紫外線を浴びて肌の中に炎症が起きていることも原因の一つ。肌の中では無自覚の炎症が起きています。

“サンバーン”“サンタン”いずれの場合でも、日焼けをすると肌の中では炎症が起き、肌の細胞にダメージ(損傷)を与えて、肌の機能を低下させてしまいます。また“炎症”は肌老化を進める“活性酸素”を大量に発生させる原因になるのです。


老化の原因“酸化”


活性酸素は高い酸化力で体内に入り込んだウイルスや細菌類を撃退したり、酵素の働きを促すなど肌や体を守る働きをしています。

ところが活性酸素が大量に増えると健康な細胞、コラーゲン、遺伝子などさまざまな物が酸化によるダメージ(損傷)を受けて機能が正常に働かなくなり、しわや、たるみ、シミ、くすみ、ごわつきなどの肌老化を引き起こすのはもちろん、免疫力が低下し、さまざまな肌トラブルにつながります。

切ったリンゴの色がどんどん変わっていくのも酸化が原因。


切り口が酸化したリンゴ

日焼けした肌の中では、紫外線を浴びて活性酸素が増え、さらに日焼けによる炎症で活性酸素が増え、酸化ダメージ、老化ダメージが進んでいる状態です。

機能が正常に働くなることから“肌がサビる”とも言われる“酸化”によるダメージから肌を守ることはアンチエイジングの大きな課題です。


老化の原因“糖化”が起きる


血液中の糖とたんぱく質が結びついて老化物質(AGES)が作られる“糖化”。“糖化”で生まれた老化物質(AGEs)は肌の細胞の表面にもついて、細胞の働きを阻害し老化を加速させます。

また、老化物質(AGEs)はコラーゲン線維どうしを結びつけて弾力性を損ねる上に、コラーゲン線維を生成する線維芽細胞も老化物質(AGEs)によってダメージ(損傷)を受けるため肌はハリを失い、シワが増えていきます。

また“糖化”により変性したたんぱく質は褐色化するため、肌が黄色くくすんで見えるようになります。加齢による黄ぐすみの原因は糖化によるものだったのです。このことから、糖化は「肌のコゲ」とも言われています。

紫外線を浴びることで“糖化”が進み老化物質(AGEs)が増加。肌の老化が進むだけではなく、肌の中でさまざまなダメージ(損傷)を受け炎症が起きていきます。

日焼けによる、“炎症”“酸化”“糖化”のダメージ(損傷)から肌の健康と若々しさを守るヒートショックプロテインは、アンチエイジングに欠かせない重要な存在です。


2.日焼けによる老化の悪循環とは?


日焼けダメージ

日焼けによる“炎症”“酸化”“糖化”には、それぞれのダメージ(損傷)がお互いのダメージを増幅するという問題が潜んでいます。

日焼けにより起こる“炎症”で肌はダメージを受け、“炎症”により増えた活性酸素は“酸化ダメージ”を与えるだけなく、“糖化”を進めて老化物質(AGEs)を生み出し、肌細胞・組織にダメージ(損傷)を与えて皮膚の老化を進めます。

さらに老化物質(AGEs)自体も炎症を引き起こすため、“炎症”“酸化”“糖化”の悪循環に陥り、皮膚の老化を加速させていきます。

この老化の悪循環から抜け出すためにも、ヒートショックプロテインが必要です。


3.日焼けによる老化の悪循環から肌を救うヒートショックプロテイン


ダメージのない美しい肌

もともと私たちの肌や体に存在している特殊なたんぱく質ヒートショックプロテインは、紫外線や熱、病原菌や精神的なストレスなどでダメージ(損傷)を受けて構造がおかしくなったたんぱく質を修復して元気にしたり、ダメージが大きすぎて修復できなくなったたんぱく質を分解する働きがあり「ストレス防御タンパク質」とも呼ばれています。

ヒートショックプロテインは、日焼けなどの炎症を抑え、炎症や酸化によりダメージ(損傷)を受けた肌を修復する働きがあります。

また、糖化した皮膚のコラーゲンを分解排出する一方で、新しいコラーゲンの生成を促す働きもあります。

ヒートショックプロテインはダメージを修復するだけではなく、免疫力をサポートするなど様々な“力”を備えており、“炎症”“酸化”“糖化”それぞれによるダメージを修復しながら、老化の悪循環に陥っていく肌を救い健康で若々しい肌を守り育む働きがあるのです。


4.日焼け老化を防ぐHSPを増やすには


ヒートショックプロテイン(HSP)は、もともと私たちの肌に存在している特殊たんぱく質ですが、年齢とともに減少。
50歳前後をピークにどんどん減少していきます。

日焼け老化から肌を守るために、ヒートショックプロテインたっぷりの肌にするにはどうしたらよいのでしょうか?

3つの方法をご紹介します。

1)お風呂

ヒートショックプロテイン(HSP)は熱のストレスを加えることで生まれます。
40℃~42℃のお風呂で、10分から20分程度、体の芯までゆっくり温め、入浴後は10分から15分身体を覆って保温します。
※お湯の温度目安/42℃→入浴10分、41℃→15分、40℃→20分
※体温38℃を超えるくらいまで温まる


HSPを増やす入浴法についてはこちらで詳しくご紹介しています

「入浴でHSPが増える?!・・・入浴好きな人の肌が美しいわけ」

体温38℃をこえ、その後保温ができるのであれば、サウナや岩盤浴も良いでしょう。


サウナとヒートショックプロテイン(HSP)については、こちらで詳しくご紹介しています!



「サウナの驚くべき効果 ヒートショックプロテイン(HSP)と血流促進の最強タッグ」

2)運動

ヒートショックプロテイン(HSP)は、運動も有効です。
汗をかき、身体が温まる有酸素運動などの運動を30分程度続けることが必要だと言われています。

肥満や生活習慣病の予防、身体の機能や筋力の維持など運動の重要性や、自宅でできる運動、ヒートショックプロテイン(HSP)について興味のある方はこちらの記事をご覧ください。



「適度な運動していますか?!HSPでいつまでも若く健康でいられるために」

ヒートショックプロテインを増やすために、お風呂は効果的ですが夏は厳しいと思う方や、そこまで入浴に時間がかけられないという方もいらっしゃると思います。
また、日常生活に運動を取り入れることは、身体にとってとても良いことですが紫外線を防ぎながら、汗をかくほどの有酸素運動を30分程度続けられないという方は次の二つの方法でヒートショックプロテインを増やしましょう!

3)食事(サプリメント)

時間も負担も、我慢もしないでヒートショックプロテインを補い増やすもう一つの方法は、食事。

ヒートショックプロテインを増やしてくれるという“βグルカン”を多く含むキノコや、身体を温める辛い物、良質なたんぱく質などバランスの良い食事をとるようにすると良いでしょう。

5.日焼けのプラス効果


カーテンを開けて日差しを浴びる女性

美しさと若々しさを求める女性にとって“日焼けは大敵”と、美白ブームが到来して以来、骨粗しょう症・アレルギー・うつ病・糖尿病などが急増したとも言われています。

太陽光が当たると、体の中でビタミンDが作られます。 ビタミンDは、健康な骨、筋肉、歯のためにカルシウムやリンととも に働く大切な栄養素。ビタミンD不足は骨粗しょう症の原因にも! また、免疫機能を調節・維持する働きがあり、がんやアレルギーの抑制にも 関りがあると言われています。

また、朝に日光を浴びることで体内リズムが整い、睡眠の質を向上するとか 日光は脳が幸せや安心感を得るために必要なセロトニンというホルモンを分泌させる働きがあり、不眠症やうつ状態の改善にも効果があると言われています。

日焼けは害ばかりではなく良いこともしてくれるのです。 日焼け老化はしっかりケアしながらも、上手におつきあいしていきたいものです。

5.まとめ~日焼け老化を防いで若々しい肌に!~


日焼けによる老化は避けたいもの。
まずは、日焼け止めや日傘などで極力日焼けを防ぐことが大切です。
もしも日焼けをしてしまったときは、まずは熱を持った肌を「冷やす」こと。
ほてりを鎮めて、紫外線で乾燥した肌をしっかり保湿して肌を落ち着かせることが第一です。

そして、肌の中で起きている老化の悪循環を断ち切るためにヒートショックプロテインたっぷりの肌に整えることが若々しく健康で美しい肌を守り育む秘訣です。

ヒートショックプロテインは、増やしても減ってしまうものなので継続して増やすことを考える必要があります。
ヒートショックプロテインを増やすための入浴法や運動を取り入れたり、食事内容に配慮するなど自分のライフスタイルにあわせた方法で増やしていきましょう。

日焼けには、プラスの効果もあるので太陽の光を“悪い物”だと思うばかりではなく、紫外線老化を防ぐエイジングケアをしながら上手におつきあいを!
健康で若々しい肌と身体を育んでいきましょう。


※ヒートショックプロテイン(HSP)を増やす方法については、 こちらで詳しくご紹介していますのでご覧ください。

●入浴
「入浴でHSPが増える?!・・・入浴好きな人の肌が美しいわけ」

●サウナ
「サウナの驚くべき効果 ヒートショックプロテイン(HSP)と血流促進の最強タッグ」

●運動
「適度な運動していますか?!HSPでいつまでも若く健康でいられるために」

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